野球が得意な学習障害のお子さん

野球が得意な学習障害のお子さん

元生徒のお子さんがまなびの森に勉強するようになりました。
発達が少し遅く。学習障害もあり勉強では苦戦していましたが、得意の野球が彼の支えでした。

まなびの森の卒業生から電話がありました。
何でも息子さんを見て欲しいと言うこと。
話を聞いていると、小学校2年生だけど、国語の音読ができない。足し算引き算が怪しい。と言うことでした。
当時のまなびの森では小学校低学年の生徒は受け入れていなかったので、3年生まで様子を見て、変わりが無いようならもう一度相談して欲しいと返事をしました。


半年後、学年が上がって再度電話がかかってきました。
その半年の間に、お母さんもいろいろと相談に行ったりして、生徒の発達診断も受けていたので、その結果を見せてもらいました。
病院での見解では、学習障害(限局性学習症)で、少し発達の遅れもあると言うことでした。
知能指数的にも、やや低めと言うことでした。


お母さんの希望では、クラスの平均くらいはどうにかなって欲しいと言うことでしたが、状況的には厳しいことを正直に伝えて、彼なりに成長していくのを促し、支えていくという視点に立たないと、お母さんも本人もしんどくなると話しました。


まなびの森での学習は、該当学年の内容をする以前の段階で、とにかく足し算引き算の練習を最初の内は繰り返しました。
繰り上がり栗下がりがある程度できるようになって、かけ算へと移りました。
遅れているからと言って、あれもこれもと一度にさせようとすると、このタイプの子どもは混乱して、何も身に付きません。
慌てること無く、じっくり勧めていくことを、お母さんにも納得してもらいました。


国語についても、読み書きに困難があるようで、ひらがなの書き間違い、漢字が覚えにくいという状態で、無学年式の読解問題で簡単な文を繰り返しじっくり読んで、何が書いてあるのかを読み取る練習をしました。


野球が好きで、野球のことはよく話し、チームでも一目置かれているようで、それが自尊心を支えているようでした。
逆に野球が上手いから、勉強は要らないというような態度も見え隠れして、積極的に分かろうとする姿勢はありませんでした。


こちらの力不足もありますが、小学校6年の段階でも分数の通分が難しい状態でした。


中学に入ると、シニアリーグの有力チームに入団したため、通塾は困難になりました。
ときおり連絡を戴き、野球では活躍をしていたようですが、勉強はほとんど手つかずのままでした。
それでも、チームでの活躍を認められて、私立高校に野球の推薦で入学をしました。


塾の人間としては、何だか複雑な気持ちですが、そういう選択も本人と親御さんが希望するならありなのだと思います。