個別指導塾は、生徒一人ひとりに合わせた柔軟な指導が可能な学習環境ですが、その利点を活かすためには、生徒自身の姿勢や行動が非常に重要です。
逆に、誤った使い方をしてしまうと、せっかくの個別指導の効果が十分に発揮されず、成果につながらないこともあります。
以下では、個別指導塾で成果を上げるために「生徒がやってはいけないこと」を具体例を交えて説明します。
1. 受け身の姿勢で授業を受ける
個別指導では、生徒の理解度に合わせて授業が進められますが、受け身で講師の話をただ聞くだけでは効果が半減します。
たとえば、中学2年生のA君は、授業中にわからない部分があっても自分から質問せず、講師の説明を聞いて終わるだけでした。
講師はA君が理解していると思い授業を進めてしまい、結果としてA君の苦手分野が放置され、定期テストでも得点が伸びませんでした。
個別指導では、疑問点を積極的に伝える姿勢が不可欠です。
2. 授業任せで家庭学習を怠る
「塾に通っているから安心」と考え、家庭学習をおろそかにするのも大きな落とし穴です。
個別指導塾は週に数回の授業が中心であり、それ以外の時間をどう使うかが成果を左右します。
高校1年生のBさんは、塾の授業だけで満足し、宿題も最低限しか取り組みませんでした。
講師が指導した内容を復習しないため、知識が定着せず、模試でも思うような結果が出ませんでした。
授業で得た知識を家庭で繰り返し復習することが、学力向上の鍵です。
3. 目標を持たずに通塾する
目的意識がないまま塾に通うと、学習の方向性が定まらず、成果が見えにくくなります。
小学6年生のCさんは、保護者の勧めで塾に通い始めましたが、「何のために勉強するのか」が曖昧なままでした。
講師も具体的な目標がわからず、授業内容が広く浅くなってしまい、結果として中学受験の対策が不十分になりました。
塾に通う目的（定期テスト対策、受験対策、苦手克服など）を明確にし、講師と共有することが重要です。
4. 講師とのコミュニケーションを避ける
個別指導では講師との距離が近く、対話を通じて理解を深めることができます。
しかし、講師との関係を築こうとせず、最低限のやり取りしかしない生徒は、指導の質が低下する可能性があります。
中学3年生のD君は、人見知りで講師との会話を避けていました。
講師もD君の理解度を把握しづらく、授業が一方通行になってしまいました。
少しずつでも講師との信頼関係を築くことで、より効果的な指導が受けられるようになります。
5. 講師任せで学習計画を立てない
個別指導塾では、生徒の学習計画を講師がサポートしますが、すべてを講師任せにしてしまうと、自主性が育たず、学習習慣が定着しにくくなります。
高校2年生のEさんは、講師が提示した課題だけをこなし、自分で復習や予習の計画を立てることがありませんでした。
結果として、受験期に入っても自分で学習を進める力が不足し、焦りを感じるようになりました。
講師の助言をもとに、自分で学習スケジュールを立てる習慣を身につけることが大切です。
以上のように、個別指導塾で成果を上げるためには、「受け身にならない」「家庭学習を怠らない」「目標を持つ」「講師との対話を大切にする」「自主的に学習計画を立てる」といった姿勢が求められます。
逆にこれらを怠ると、個別指導のメリットが十分に活かされず、期待した成果が得られない可能性があります。
塾はあくまで学習のサポート機関であり、主役は生徒自身です。
自ら学ぶ姿勢を持ち、塾の環境を最大限に活用することが、学力向上への近道となるのです。
