教室長の私は、35年前には集団授業の講師をしていました。
集団授業は、講師が生徒達を引っ張っていく形で授業が進んでいきます。
授業準備においては、クラス全員に分かってもらえるようにするには、どのように説明をしたら良いかを考えて予習をするのですが、実際に授業が始まると全ての生徒が同じように生き生きとした目で授業に参加している訳ではありません。
ある生徒はとても楽しそうに説明を聞き、積極的に問題を解いています。
しかし、ある生徒は頭を抱えて、必死に考え込んで、それ以上私の説明を聞く余裕を無くしています。
さらには、内容が簡単すぎて、上の空で、目を閉じて鉛筆を置いている生徒がいることもあります。
集団授業では、全ての生徒が満足させられることは難しいのです。
生徒一人一人の理解の早さ、問題を解く早さ、これまでの内容の理解度は異なります。
これでは、無難な指導はできても、どうしてもこぼれていく生徒が出てきます。
一人一人が充実した時間を過ごすには、その生徒にとって最適な問題を選び、つまずいた時もその生徒にとって必要な説明をすることが大切です。
同じ問題でつまずいても、生徒によって必要な説明は違うのです。
また、同じだけできるようになるための問題の数も、一人一人違います。
そのことを考えた時、集団授業では私自身も納得のいく仕事ができないと感じました。
納得のいくサービスを提供するには。一人一人に対応した授業をしていくしかありません。
その答えが個別指導でした。
個別指導であれば、一度に多くの生徒の指導はできませんが、目の前の生徒だけに必要なことを過不足なく伝えることができます。
特に、勉強が苦手な生徒にとっては、集団授業の説明ではその生徒が必要とする復習も説明もできません。
そのような生徒が今必要とすることを伝えられることは、私にとって納得のいくサービスでした。
それは、学習塾の範囲に留まらず、不登校の生徒の学習においても不可欠のものです。
ですから、まなびの森は、ただの学習塾に留まらず、不登校のお子さんのために週に一日ですが、フリースクールとして教室を開けることにしました。
また、発達障害で勉強が苦手なタイプのお子さん、学習障害のお子さんと勉強をするに当たっては、その特性ゆえに画一的に指導することは不可能です。
一人一人の特性を考慮して、教材を選び、説明の言葉を選ばないといけません。
ですので、彼らの指導は個別指導でする必要があるのです。
まなびの森の教室長は、発達障害や学習障害のお子さんの指導のための特別な訓練は受けていませんが、2000年に開校して以来、複数の発達障害のお子さまや学習障害のお子さまと一緒に勉強してきました。