起立性調節障害のお子さん1

起立性調節障害のお子さん1

まなびの森の生徒が友達を連れてきてくれました。
その生徒は、ほぼ毎日昼前から登校してくるという生徒でした。
中3になって、進路のことを考えたときに、やはり少しは勉強した方が良いかなと思って、友達のいる塾に来てみたと言うことでした。
面談の日、その生徒はマスクをしていました。
話を聞くと、口蓋裂で何度も手術をしてきたそうですが、あともう少しで全ての手術が終わると言うことでした。
そう言うのもあって、あまり人前に出るのが好きでないのかと思ったのですが、それ以外に起立性調節障害も煩っていて、昼前までベッドから出るのが困難と言うことでした。

 

幸い口蓋裂の方は、周囲の友人がありのままを受け入れてくれていて、本人もあまり気にしていないようです。
実際、入会後にいつも自習室で5,6人の友人達と楽しく談笑していました。

 

起立性調節障害の方も少しずつ良くなりつつあるようで、遅れている勉強に手を付けていこうと思えるところまで来たようです。
ただ、出席状況や今までの成績などを考えると公立全日制を受験するのは厳しい状態で、また、起立性調節障害の状況も考えると、進学先としては通信制高校または通信制高校と技能提携をしている専修学校と言うことで、受験勉強と言うよりは、入学後の学習に支障が無いようにして、大学進学を考えたときの学習に耐えられるように、基礎を固めることに主眼を置いてカリキュラムを作りました。
このあたりは、個別指導塾だから、柔軟に対応できることです。

 

それでも、一年ほどの間に、英語と数学の3年間のエッセンスを学び直すのは、それなりの覚悟と体力が要ります。(一日1.5時間くらいは家庭学習が欲しいところです。)
本人の体力の問題もありますので、あくまでも調子の良いときに家庭学習はするだけで良いと言うことで、塾での勉強を始めました。
入塾前には中学の勉強は、気が向いたときにする程度だったので、特に一年生の基本をじっくりと進めました。
数学は特に、高校を卒業するのに中学段階で必要とする内容に絞って、削れるものは削って学習をしました。
素直にやるべき事を身につけてくれたので、数学はほぼ問題なく受験前に一通り学ぶことができました。
英語も、基本的な文を読めるようにすることを目標にして、不定詞や関係代名詞などは、紹介する程度にとどめて、英文を見たら何となく分かると言うところまで、単語をできるだけ覚えて英文に目を通す練習をしました。

 

厳しい言い方ですが、この生徒に限らず、ほとんどの英語が苦手な生徒はいくら英語の復習を繰り返しても、文法を覚えて使いこなせるようにはならずに高校に上がっていきます。
ですので、最初から、無理に全てを理解させようとするのではなく、基本的な英語の型に親しんだら、単語を拾ってだいたいの意味を掴むところまでできれば、他の英語が苦手な受験生や高校生と遜色がないくらいに英語力は身に付いたと考えても良いのです。
(ただし、教える側としては全然納得していません)

 

3学期までにある程度英語も数学もできるようになっていたので、少し欲が出てきたのか、彼は公立の通信制高校の受験を考えるようになりました。
そして、中学の先生に勧められた学校をを受験しました。
当塾としては、競争率が1倍以上を超えていたその学校は厳しいと思って、別の通信制高校を進めたのですが、中学の先生がその学校を知らなかったこともあり、学校の勧める学校を受けるしかありませんでしたが、その結果は不合格でした。
そして、当初の予定通りに地元の通信制高校に進学をして、週に3日学校に通い、他の日にはアルバイトしながら勉強を進め、3年で無事卒業することができました。
高校卒業後の進路は、元々関心があった写真の専門学校に進学しました。